小谷野敦氏は立派なキチガイである。


私はキチガイと呼ばれたことがある。
キチガイとは精神障害者、あるいは頭のおかしな人にたいする侮蔑語である。
私は精神障害者ではないし、頭が狂ってなどいない。しかし、キチガイと呼ばれた!
まったく普通の精神状態なのにキチガイと言われたのである。


小谷野先生もまた、まったく正常な精神状態にもかかわらずキチガイ呼ばわりされた。
ネットという非道の言論空間にあっては、小谷野先生も、私もまたキチガイなのだ。


しかし、小谷野先生を私と同じキチガイと言っては失礼である。
私は三流大学を中退している。これに対して小谷野先生は東京大学の出身だ。
私のような下賎なキチガイとは違う。立派な肩書きを持っている。


つまり、小谷野先生は立派なキチガイだ。
キチガイのなかでは最も高いステイタスを持つ人。
これが表題の意味するところである。


このような立派な方を、どうお呼びすればよいだろうか。
キチガイの王様、キチガイの皇帝。
しかし、キチガイを束ねる組織はないのであるから、王様や皇帝というのは不適切かも知れない。
同輩中の首席という意味を込めて、プライム・キチガイと呼ぼう。


プライム・キチガイである小谷野先生の言論活動は、めざましいものがある。
小谷野先生が非道の言論空間を打ち倒せば、もしかするとキチガイの名も消え、晴れて一般人として扱われるかも知れない。
小谷野先生の八面六臂のご活躍、心よりご期待する次第であります。


偉大なるキチガイ小谷野敦先生に、万歳!

補足

私には小谷野先生を罵倒する意図はない。しかし、先生に誤解されることがあるかも知れない。
もし小谷野先生が不愉快の念を抱かれるようだったら、小谷野先生と直接お会いし、誤解を解くため誠心誠意お話し合いをする準備がある。

文学フリマでゆとり世代部発行「ゆと部報」を買った


文学フリマなるところに行ってみたところ、ゆと部報なる珍書が売られていた。ゆとり世代がつくった同人誌だそうである。ゆとり世代部id:amuhimaくんが「冊子は薄いし中身も薄い!」という営業トークをしていた。「部屋のインテリアに!」という掛け声をしていた者もいる。


もちろんこれは謙遜だろう。一読してみたが「ゆとり世代」がケータイ小説読んで馬鹿になっているというのは何かのデマではないかと思う。仮に馬鹿になっていたとしても、それは自分が馬鹿であることを知っている馬鹿、すなわち自らが無知であることを知っている賢者である。


小説に対するひとことレビューをまとめておく。

タイトル 作者 レビュー
冷蔵庫 littlelielittle 狭く冷たいところでも、気持ち次第で広く暖かくなる
kopy machine littlelielittle 「もうひとりの自分」が人気なのは自己申告のデータだから?
battlefield classroom littlelielittle 「焦り」には日常も戦場もない
安眠 debedebe 最後まで気が抜けない強烈なブラックジョーク
安眠2 debedebe どこまでもつきまとう最強のストーカーは自分自身の心なのかも
一般化 debedebe 理屈で文学を究めるとこうなる
逆太郎 debedebe ご都合主義の童話はこうやってつくる
ウォーリー系アイドル debedebe 男と女の追いかけっこ
タミフルな夢 marubon あとがきで明かされる驚愕の結末
strada subito dopo la pioggia seo19114 最後に微笑みたくなる青春のエピソード
さよならと云いし日に seo19114 切ない。
真っ赤なリンゴにお願い azmin 梶井基次郎の『檸檬』っぽい


小説のほかに、書評もある。


id:bummyは「岡本かの子『鮨』論」というものを書いていた。自分は岡本かの子の書いたものを読んだことなどないし、それに対する批評など分からない。だが、通りがかった人がパラパラとページをめくったあと「岡本かの子論を書く人がいるんですね」「ネットで"ゆとり世代部"と検索すれば出てきますか?あとでチェックしてみます」と言っていた。岡本かの子を全然知らなかった自分は、この通りすがりの人の反応に驚いた。


今からでもid:azminくんに問い合わせれば通販で買える。また、早稲田大学文学部隣の「あかね」にも置く予定がある。ほしいと思ったら買うと良いと思う。

風俗に行かないのは「視覚」を重視するからでは?


“風俗店に行く若者が減少”…若い男性の「性欲」が落ちている?
http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1121654.html


「風俗に行かないのはおカネがないからだ」と、格差社会に結びつけるような意見もあるが、それは違うだろう。毎年夏になれば、コミケで十万円単位のお金をつぎ込む若者がいるんだから。あれは性欲にカネをつぎ込んでいるんじゃないのか。


問題となっているのは単に「視覚」か「触覚」かという価値観の違いだ。アダルトビデオやエロゲーはおもに「視覚」を刺激するものであり、現実のセックスはおもに「触覚」を刺激するものだ。現実のセックスでも「視覚」の要素は存在するが、それを排除することができる。つまり、部屋を暗くしても不自然ではないし、相手があまりにもブサイクだったら目をつぶってすることができるということだ。ちなみに「聴覚」も大きなウェイトを占めているが、これはいずれの場合でも同じなので割愛する。


ありていに申し上げると自分は風俗やウリセンが大好きである。自分の体中を撫でられ、舐められるときのくすぐったいながらも気持ちよい感覚は言葉にしがたい。乳首をいじられるとアレはギンギンになり、わき腹をさすられると体がピクピク動く。つまり「触覚」の刺激が好きなのである。


しかしだからといって「視覚」に価値を見出す人を馬鹿にするわけではない。犯罪にならない限り、やり方はひとそれぞれであるべきだ。

メディアや教科書が使う「イッキ飲み」の概念は語弊がある。


これから成年になるみなさんに、是非お伝えしておきたいことです。


毎年のように、急性アルコール中毒でなくなる学生がいます。残念なことに、今年も死者が出ているようです。


一橋大1年生が寮で飲酒後死亡、急性アルコール中毒
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20080428AT1G2800T28042008.html


なぜ、名の知れた国立大学の学生までもが死にいたるのでしょうか。


ここで自分は「イッキ飲み」という言葉が一人歩きしているという点を挙げたいと思います。急性アルコール中毒とは、短時間の飲酒によって起こる中毒症状です。息継ぎをせずに飲むことが危険なのではありません。


自分が大学生だったころ、ある年に「自分がどれだけ飲めるか試したい」と言って、人からそそがれるのを拒絶して自分で注いでいた後輩がいました。しかし、試す、というわりには随分飲んでいたようなので、忠告しました。


「ずいぶん飲んでるねえ。大丈夫か?」
「いや、全然大丈夫ですよ!」
「アルコールがまわるのには時間がかかるよ。
 座っていても分からないが、立ち上がって歩きはじめたときに一気に回る。
 帰る途中で倒れないようにな。」


後輩君はこのことを知らなかったらしく、自分からの忠告を受けてかなり驚いていました。これは酒飲みにとっては常識ですが、成人したばかりの人にとっては分かりにくいことなのだと思います。



酒提供:「餃子の王将」バイト店員3人が女子高生に 川崎
http://mainichi.jp/select/today/news/20080319k0000e040028000c.html


この事件でも、女子高生は会計を済ませて店の外に出たあとで倒れています。



イッキ飲みはダメだ、自分のペースで飲むようにしよう、と言われても、回数を重ねないとどの程度飲めるのかは分かりません。メディアや教科書は息継ぎをせずにお酒を飲むイッキ飲みと、短時間でのアルコールの大量摂取をごちゃまぜにしています。「短時間」というのは数十分のことを指します。「イッキ」ではなくとも、1時間から2時間程度の飲み会で、自分が飲める量を「試す」と酔いつぶれたり急性アルコール中毒になる可能性があります。


新歓コンパなどは他人からじゃんじゃんお酒をすすめられるので、そういう席で「飲める量」を試すことは難しいです。そこで、自宅で晩酌をして試してみるとよいと思います。こういう方法が考えられます。

  • まず、飲む時間は夕食時の2時間と決めておきましょう。
  • 最初は2時間で生ビールを中ジョッキ1杯飲みます。
    • その日はそれだけにしておきます。
    • これで苦しいようだったらあなたは下戸です。他人とはお酒を飲まずに烏龍茶を嗜みましょう。
  • 次の機会では1時間に1杯。2時間で計2杯飲みます。
    • その日はそれだけにしておきます。これで苦しいようだったらそれ以上は飲まないようにしてください。
  • さらに次の機会には40分で1杯。2時間で計3杯飲みます。
    • その日はそれだけにしておきます。これで苦しいようだったらそれ以上は飲まないようにしてください。
  • そのまたさらに次の機会には30分で1杯。2時間で計4杯飲みます。
    • その日はそれだけにしておきます。これで苦しいようだったらそれ以上は飲まないようにしてください。


こういう飲み方をすると急性アルコール中毒にならずに「時間あたりに飲める量」を知ることができます。


まぁこれを愚直に守れるひとはそうそういないと思いますが、だいたいの目安にすると良いでしょう。ちなみに私は「20分で中ジョッキを一杯」つまり2時間で6杯くらい飲むとべろべろに酔っ払います。

「国内で中国軍を行動させない」という原則を貫いた長野県警を支持する!


北京オリンピック聖火リレーにあわせて中国への抗議活動が行われた。長野県警による取り締まりが抗議活動に対して厳しく、中国側に対して甘いというような指摘がある。


しかし、自分は長野県警が中国への抗議活動を取り締まる方向で動くのは当然だと思う。理由は簡単で、聖火防衛という名目のもとに中国軍の関係者を日本国内で活動させてはならないからだ。


付け加えるなら、この抗議活動自体が筋が通らない話だと思う。オリンピックとチベット問題は直接関係がない。聖火ランナーに対してフリー・チベットと叫んで何の意味があるというのだろうか。(逆に自分は胡主席の来日の際に抗議活動をするなら筋が通ると思う。)


よって僕は長野県警を支持する。

ヒステリックな反応の世論、粛々と判決を下した司法。


山口県光市で起こった殺人事件で、被告に死刑判決が言い渡された。


被告が1審、2審での証言を覆したことについて、本村さんが悔しいと思う気持ちは分からないではない。しかし、被告が何を言おうが自由である。もし裁判所が「生き返りの儀式」を認めたら大問題だったろうが、被告がそう主張するだけなら実害はない。検察官が突っ込みをいれ、裁判所が粛々と判決を下すだけである。


弁護団は裁判を遅延させているという意見も見られた。しかし僕は、弁護活動による裁判の遅延よりも弁護団に対する懲戒請求による遅延を恐れた。仮に被告の弁護士が懲戒請求で退会・除名にでもなっていたら、弁護士を交代させざるをえず、裁判はさらに遅延することになっただろう。懲戒請求を出した人たちは「自分が正しい」という思い込みで、結果を考えずに行動したといわざるを得ない。


被告が荒唐無稽なことを言おうが、裁判所がきっちりと判決を下してくれる。僕はそう思っていたから、事件そのものについて何か積極的に発言しようという気にはなれなかった。ただ、心のどこかで裁判所は死刑を回避するかも知れないとも思った。しかし、結果としてみるならば、被告が主張する権利も守られたし、裁判所は至極まっとうな判断をした。


裁判所が死刑判決を下したと聞いて、僕は世論のヒステリックさのほうが強く印象に残ることになった。

「はてな」は弱いの?


id:muffdivingさんのダイアリーに対して、小谷野敦氏が侮辱罪にあたるとはてなに通告した。そして、はてなはmuffdivingさんにその旨を連絡し、muffdivingさんは訂正線を入れた。


そしてこの件について加野瀬未友氏(id:kanose)がはてなブックマークで「小谷野氏には弱い」と発言し、のちに弱いのはmuffdivingさんではなく「はてな」だと補足した。


しかし自分ははてなが弱いとは思わない。


今回のはてなの対応は、プロバイダー責任制限法に基づいた連絡だ。株式会社はてなとしてmuffdivingさんの代わりに訴訟の当事者となる覚悟を決めたのでもない限りは、こういう連絡をするのは当然である。だから今回の件ではmuffdivingさんが個人情報を開示されては困ると考え削除に応じたということになる。


ただし、別に自分はmuffdivingさんが弱いとも思わない。


たしかにプロバイダー責任制限法のなかで、明文で個人情報の悪用が禁止されている。しかし犯罪経歴証明書でもない限り、小谷野敦さんが法令を守る人なのかどうかは分からない。muffdivingさんが自衛のために訂正に応ずることは弱さではなく、むしろ、賢さの現われであろう。


はてなの対応が場当たり的だと言う人もいるが、今回の件については場当たり的でもなんでもない。場当たり的だと言っている人はプロバイダー責任制限法を知らないのだろう。