派遣が駐車場の誘導をやってはいけない理由。


仙台のフルキャストが警備業者に労働者を派遣して摘発を受けた。いろいろな論点があるだろうけれど、自分が興味をそそられたのは、この仙台の件というのが駐車場の誘導だったという点にある。うん。まさに俺がやってるバイト。


一般に車両の誘導が「警備業」にあたるという認識はないかも知れない。ヒマな人は警備業法の第2条の2号を見てください。


で、「EU労働法政策雑記帳」というブログで警備業への派遣を開放したらどうかというようなことが書いてあった。警備業全般はわからないが、バイトで交通誘導をやっている感想としては、たしかにそれほど難しい仕事ではない。だから他の派遣の職種と区別する意味がない、ということは理解できる。


しかしそれでなお、警備業者には派遣業者とは別の規制が必要だと思う。それは交通事故が起こったときの対応のためである。


俺が働いてる警備会社の研修では「事故があったら会社が対応する。連絡先を聞かれても絶対に自分の電話番号を教えるな、会社のを言え」と教えられている。


交通事故の示談っていうのはもともとややこしいうえに、警備員が絡むと余計訳がわからなくなる。それは警備員が誤った誘導をやったら警備員に責任が生じる一方で、ドライバーにも道交法上の安全確認義務があるからだ。だから事故の処理をするには交通法規や過去の事例を知らなければならない。警備会社は営業所ごとに公安委員会から資格を与えられた人間を置かなければならないとされている。


そういうわけで、交通誘導の業務自体はそれほど難しい仕事ではないのだけれど、いくつもの現場に警備員を送っていればそのうちの何パーセントかは事故を起こすわけで、警備業者は事故に対応するための知識なりがなければならないし、何より示談交渉ができなければならない。個々の警備員も一応法規をならうが、それだけでは示談交渉するには不十分。


まぁつまり、個々の警備員はぬるい仕事してるし派遣でもOKだろと思うが、「警備業者」にはそれ相応の規制が必要だと思うということです。


【参考】
警備業の派遣は違法!?