日常会話の延長線上としての「読み逃げ禁止文化」


ITmedia Newsで、読み逃げ禁止について振れられていた。読み逃げ禁止ってのは、日記を読んだらレスつけてけってやつですな。これはウェブでのコミュニケーションに対する考え方、価値観の問題だと思う。


リアルで知人とすれ違ったら「おはようございます」「どうもこんにちは」みたいな挨拶をする。これができないとオッサンから「挨拶もろくすっぽできない奴だ」とか言われたりする。日常でこまめにメールのやりとりをしている人たちは、メールでのやりとりについてもそういう感覚を持っているのではないかと思う。


その一方でネットでそういうことをやると疲れてしまう人たちがいる。というかそんなことやったら僕も疲れる。それはなんでかっていうと、ネットでは何か気の利いたこと、あるいは面白いことを言わなければならないという発想があるから。


僕なんかはリアルでは他人の話を聞きながら「そうなんだ」「へー」とかいう内容のない相槌を打つことが多いのけれど、ネットでそれをやる気にはなれない。語るべき内容がないのに書き込むなと言われてしまいそうな感覚がある。ついでに言うと「おはようございます」などの定型的な挨拶もリアルではOKだけれども、ネットでやるとコピペだと思われるし、僕自身、そんなコメントもらっても嬉しくない。だから僕はこの問題はウェブではつまらないことなら言わないほうがいいと思っている人と、日常会話の延長線上でやりとりしている人たちとの違いだと思っている。


レスをつけようがつけまいが自由だというのは実は表面的な問題だと思う。個人の自由を持ち出しても価値観の違いは浮かび上がらず、対話は成立しない。ひとりひとりがどういう価値観なり感覚を持ってネットでコミュニケーションをしているのか、ということを語る必要があるのではないか。


【参考記事】
mixi読み逃げ」ってダメなの?
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0703/20/news042.html