小泉は首相でいいよ。


フランスでは前首相であっても首相と呼ぶ慣習がある、という話を何かの本で読んだ。もっともその本のなかではどうしてそういう慣習があるのかまでは触れていなかったが。


その本を読んだときは、おフランスはずいぶん変わったことをするものだと思っていた。しかし、最近になって日本も前首相を首相と呼んだらいいんじゃないかと思うようになった。


そう思うきっかけとなったのは、アナウンサーが小泉前首相の動静を伝えるときに「小泉首相が…」と間違えたことである。そのアナウンサーはすぐに訂正した。でも僕は思わず吹き出してしまったのである。


結局、前首相を首相と呼ぶのは「あなたは首相として存在感がありました。そのため退陣後もうっかり首相と呼んでしまいます。」ということなんだろうと思う。正式には間違いであっても、呼ばれる側としては嬉しいのだろう。


むろん、使う文脈によっては安倍晋三首相に対するあてつけにしかならない。でも俺のなかでは自然に「小泉首相」と出てくる。