男を女に擬するのは良い、しかしホンモノの女を連想させると萎える。


……と言われてもなんのこっちゃと思うはずである。


最近、BL(ボーイズラブ)小説を読んで思ったことだ。これまでBL小説なんぞほとんど読んだことなかった。が、どれどれどんなことが書いてあるんだと思って幻冬舎の「小説リンクス」という雑誌を買って全部読むことにした。


で、「幼なじみは無邪気な小悪魔」とかいうタイトルの小説を読了した。昨日のことである。


この小説は、幼馴染であるヒサシとワタルが紆余曲折を経てお互いが好きだということを確認するという筋の物語である。最後の方まで普通に萌えながら読んだ。


ただ、お互いが好きだと確認しあったあとの話でなんじゃこりゃと思った。


ヒサシはセックスをしたいと迫り、やりたくないというワタル。で、2人のことを知っているヒサシのバイト先の店長が、ヒサシにこんな注意をする。


おまえみてーな鈍いバカをずっと待っててくれた、いまどき貴重なくらい一途な子なんだから、お前も、セックスさせろ!ガキみてーなことを毎日わめいてないで、ちょっとは我慢することを覚えろ


で、まさかワタルが漏らしたのかと問うヒサシに、


青少年の悩みなんて、大体決まってんだよ。恋がうまくいきゃ、次はセックスだろーしな。ま、頑張れ


とのたまう店長。カマをかけたわけだ。


いやー、でも、男同士のカップルにこんなことは言わないだろう。男と女のカップルの場合ならありえる(かも知れない)が。


男の頭はセックスのことだけになって女はそれより精神的なつながりをもとめて……というのはお約束のパターンである。男同士の場合でも、どちらかが性に淡白で、そのような図式になることもあるだろう。


しかし、なんでこの店長はワタルのほうが性に淡白であるということまで見抜いていたのだろう。男と女なら、男の方が性欲が強いのかと推測することはできる*1。でもこれは男同士なのだ。どっちかの性欲がどうだなんて分からないと思う。


もしかして、そんな話をするほど店長とワタルは深い仲になっていたのか。


自分はBL小説において女性的なものをもった男が出てくるのは構わない。人間には誰しも男性的な部分と女性的な部分がある。それは小説のなかだけのことではなく、現実のことですらある。だから、男を女に擬するのは、全然構わないのである。でも、周囲までもが自明のごとく女として扱ってるのはいかがなものか。そこはもうちょい説明が必要だよ!


まぁ、BL小説は読み始めたばかりです。もしかするとこんなの普通なのかも知れません。

*1:女より男の方が性欲が強いということに科学的な裏づけがあるのかどうかは知らん