訳語がどうこうより、日本語の意味を調べたほうがいい。
昨日の補足の続き。辞書引けと言われたんだけど、自分は辞書に目を通しているんだよね。ただ、個々の訳語にひきずられることはない。訳語の羅列から、直感的に概念を理解する。
まず、考えていただきたいのだが日本語においては博士をモノシリという意味で使うことがある。たとえば「彼はエロの知識が豊富なエロ博士だ」というような場合だ。辞書*1にも「ひとつのことに詳しい人」と書いてある。
Masterは修士と訳すべきではなく、名人の意味だと勝ち誇ったように言っている人は、エロ博士の博士を"Doctor"と訳すのはおかしいと言っているようなものだ。文脈に適した訳はあるかも知れないが、全然違う意味の訳語ではない。
じゃあ文脈に適した訳ってなんだ。みんな「Master」は名人だ名人だと言う。でも、『バーコードファイター』の「マスター」は「名人」とは違う。僕はそう直感的に思い、調べてみた。
辞書によれば「名人」とは、技芸に優れた第一人者、とある。技芸の意味を調べてみたら「美術工芸に関する技術」とある。これは厳密を適用するとえらいことになる。でもたとえば高橋"名人"の16連射は手の動きによるワザであり、ギリギリで技芸に通じるものがある。先ほどのエロの話で言うと、エロ博士と言ったらエロの知識が多そうだが、エロ名人と言ったら、知識というよりは実際の性行為に強そうだ。
しかし、あの漫画のマスターは実戦で強いというイメージはない。シミュレーターに乗って実戦で闘っているのは、たいてい主人公の烈だ。
漫画のなかでマスターは烈に埋め込まれた「バイオバーコード」*2を解析したりしている。また、マスターが古代バーコード文明の発掘をやっていたという設定については前に書いた通り。知識に長けた人物として描かれている。「名人」という訳語をあてるのには、やはり違和感がある。
そういうわけで、俺が「主人」との対比において「修士」を持ち出したのは間違っていないと思う。また名人という訳語も、違和感はあるが明白な間違いとまでは言えない。結論を言うとマスターはマスターでいい。