『ゲイの民俗学』
はてな年間100冊読書クラブに出す8冊目
- 作者: 礫川全次
- 出版社/メーカー: 批評社
- 発売日: 2006/01/01
- メディア: 単行本
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戦前、戦後の同性愛関係の史料を集めた本。
最初に編者が石原慎太郎氏や三島由紀夫氏について触れた解説を書いている。その出だしが強烈である。
石原知事が浜渦副知事を更迭した際、記者会見で石原氏が「深夜2人で涙を流して話した」と言ったのを引用し、編者はこんな「邪推」を披露するのである。
石原氏と浜渦氏の二人が「深夜2人で涙を流して話した」という一節を読み、そこに「熱い男の友情」を読み取った人は多いだろう。しかしその一方、どうも石原氏には「そのケ」があるのではないか、と邪推した人も少なくなかったはずである。
すみません。熱い男の友情は感じても、そっちのケがあるとは考えもしませんでした。
そのあと同じ文章のなかで石原は同性愛者ではないと書いているしなー。ワケが分からん。そういう編者の暴走ぶりを除けば、終戦間もないころの男娼たちの座談会だとか、興味深い史料が揃っている。
あと、ゲイの民俗学なのになぜかレズ関連の史料も多いのが不思議だった。