銀齢の果て
はてな年間100冊読書クラブに出す7冊目。
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/01/20
- メディア: 単行本
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久々に筒井康隆を読んだ。
高齢化社会を解消するために老人に殺し合いをさせる、という話。老人版のバトル・ロワイヤル。筒井康隆の差別表現が随所に詰まっている。
数あるブラックユーモアに満ちたエピソードから、個人的に気に入ったものをひとつ。
老人ホーム内をひとつの区域として殺し合いが行われる。老人のひとりである砂原仙太郎はおなじく老人ホームに入居していた元哲学教授の霜田にどうすべきか教えを乞う。そして、元教授から御託宣を受けた砂原は「自分の本来的な行動が開示された」と、殺し合いを監督する役人を殺しにいく。
役人にたてつこうとすれば容赦なく処刑されるが、老人が襲い掛かってくるはずはないとたかをくくっていた斉木という役人はあっさりと殺される。砂原は斉木が持っていた拳銃を奪い、そのことを霜田に報告に行くのだが、この元哲学教授は闘うどころか、さっさと自分で首をつって自殺していた──。
うーん。プッと笑えるようなところではないけれど、自分はこの場面が面白かった。特に元哲学教授が首つって死んだところが。こんなことを言うとはてなにいる何割かの人を敵に回す気もしますが。