『県庁の星』

はてな年間100冊読書クラブに出す5冊目。

県庁の星

県庁の星

民間企業との人事交流研修としてスーパーで働くことになった県庁のお役人の話。最初は店員達とすれ違いがあるが最後にはお互い歩み寄って店は繁盛する……という安っぽい展開の小説だが、一気に読ませてしまう勢いはある。


個人的には主人公のお人よしっぷりが面白かった。主人公が合コンで知り合った女に「おばあちゃんが老人ホームに入る費用」として300万を騙し取られる場面がある。その後、その女とは電話が通じなくなるが、逆に主人公は「何か事件に巻き込まれたんじゃないか」と心配する始末。


ちなみに映画版で柴崎コウ演じる「二宮あき」は原作では「二宮泰子」という四十五歳のオバサンになっている。店の改善について意見書を出す主人公を青臭いと思いつつ息子に重ね合わせて見守るのである。それはそれでいい感じだったが、映画じゃそれでは絵にならないか。