「ネットの情報は薄っぺらい」は常識ではなかったのか


ネット上には広告とうわさ話があふれ、信頼できる情報があまりに少ない――NIIの高野教授はそう考え、プロが編集した情報をネット上に引っ張り出そうと試みる。
日本人のアタマを救え――書籍検索でネットに“知の信頼性”を


ITmediaニュースに掲載されたリードを読んで、一瞬、書籍の全文のデータベースでも公開されたのかと思った。しかし、記事を読んでみるとそうではない。「連想検索」や「一致検索」によって関連書籍の一覧が表示されるというものである。


自分にはこれがあまり目新しいサービスのようには思えない。


ひとつ良いところを挙げるとすれば、書籍を所蔵する図書館が表示される部分になるだろうか。個人で何万冊もの書籍の所蔵情報を入力するのは至難の業であるし、企業なら図書館のデータベースではなく、アフィリエイトのようなものにするだろう。このサービスの運営主体は、個人でもなければ企業でもない。国立の研究所なのだ。


「ネット上は責任を持たない情報だらけ。その中で人は育つ」――裏の取れた確実な情報はそれほど多くないにも関わらず、ネットの世界だけで情報を完結させ「Google検索で出ないものはこの世に存在しないと同然」ととらえる人は少なくないと、高野教授は指摘する。


書籍はウェブ上よりもはるかに大量の情報に接することができる──ただし、適切な書籍にめぐり合えば──ということを知らない人は多いのだろうか。ある程度問題意識を持って情報収集すると、ウェブ上に掲載された情報だけではどうにもならないと感じることはままある。自分の「常識」は非常識なのだろうか。


ま、件の検索システム、使い方によっては便利なのかも知れません。他大学の図書館に行こうなどとは露ほども考えない自分(それでも国会図書館には行ったことがある)は、あまり便利な使い方を思いつきませんが。


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