編集によって意図は変わったか?

NNNドキュメントで、インターネット上に掲載された『ゲームで人を殺してきた世代』という詩が紹介されたという。なにやらこれが問題になっているようだ。


問題となっている部分を簡単にまとめる。


番組中では、詩のなかから、ゲームのなかでロケットランチャーをぶっぱなしたり爆弾を降らせたりマシンガンを撃ったりして人を殺したという部分だけが紹介され「そんな僕らは今大学生になって/少年犯罪は別に増加していない」などの部分が削られて紹介された、というのである。


この点を指摘したブログでは、以下のように番組を糾弾する。


番組を創る「クリエイター」が、詩という創作物を意図的かどうか知らないが、一部を抜き出したり、抜け落としたりさせて、番組の意図に沿わすような引用・紹介をすることに、良心が痛まないのか!


たしかに、抜き出した部分を見ればそこにTV局の意図があるようにも見えないことはない。しかし、僕が詩を読んだ限りでは、まったく別の意味にしているようには思えない。良心に恥じるようなことではないはずだ。


詩の最後の連では、ゲームで人を殺した世代はゲームで人を救ってきたという逆説が出てくる。これは、敵を殺すことによって、誰かを守るというストーリーのゲームもあるということだろう。第5・6連とは別の意味でそれまでの内容をひっくり返している。この引用に加えて、番組中では堀井雄二の「(ゲームで)平和のほうがいいと伝えることはできる」という言葉が出てくるそうだ。ゲームを通じて、さまざまなメッセージを伝えることができる、ということなのだろう。


そういう展開にするために、番組は自らに都合の良いような引用をしているように見える。しかし、詩のメインテーマが何かは、必ずしも明白ではない。メインテーマと正反対の内容にしたという言い方をしている人がいるが、それはTV局の伝え方と自分が解釈した詩のメインテーマが違った、ということではないだろうか。


まぁ、実は番組そのものは見ていないので、もう少し詳細な解説を希望します。その際、あわせて詩の解釈もお聞かせください。自分のなかでは皆さんが第7連をどう解釈したのかが気になるところです。


【関連ページ】

『ゲームで人を殺してきた世代』(元の詩)
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=37644&from=osusume.php%3Fosuhid%3D110

ゲームの中の戦争(番組の画像など)
http://blog.goo.ne.jp/ms07guf_001/e/36cb9d809fd4e5a2257d83b84bff4ad4

NNNドキュメント'05が、ある詩を番組で紹介していたが。』http://erict.blog5.fc2.com/blog-entry-127.html