『星になった少年』(ネタバレ有り)


この映画、2ch等でつまらないという酷評が出ているのは承知している。実際それほど面白くなかった。ただ、自分は柳楽優弥くんのファンだ。だから見にいった。プロフィールにも書いたが自分はバイセクシャルである。


映画を見る気のない人は、公式ページであらすじを頭に入れ、あとは以下の3点を覚えておけばよいと思う。

  • 映画のサブタイトル(?)は"Shining Boy and Little Randy"だ。しかしどう見ても日本にいたゾウのランディよりも、哲夢がタイで訓練したファーというゾウのほうの扱いが大きい。
  • 夜、白いゾウが現われ哲夢に話しかけるシーンがある。そのオチが秀逸。実はタイ人たちがゾウを白く塗って哲夢をからかっただけ。
  • ラストシーンでタイ人が子供のゾウにテツという名前をつける。哲夢は星にはならず、ゾウに生まれ変わったらしい。


以下、雑感。


柳楽優弥くんが前回出演した『誰も知らない』は、死んでしまった妹を埋めたのち子供たちが歩き始めるシーンで終わっている。自分がそこから読み取ったメッセージは、子供が成長していくなかで、大きな失敗・蹉跌があったとしても、日常は継続していくということである。ただ、正直、物語としてそれでいいのかよオイと思ったりもしたが。


これに対して今回の『星になった少年』は、哲夢がタイで苦しい経験をして成長して日本に帰ってきてさあこれからだというところで死ぬ。大きな蹉跌がなくても、偶然によって未来に続く道が消えることがある。運命は非常であるなーとか、そんなことを考えた。まぁ、どうでも良いことだが。


2chでは柳楽優弥くんの演技の下手糞さが指摘されている。個人的には、それほど演技が下手という印象は受けなかったが、最後の事故シーンは気になった。運転を知らない人間が、運転で怖い状況になったときの表情をつくるのに失敗した、という印象を受けた。柳楽優弥くんはまだ15歳で免許を持っていない。映画で乗っていた原付は本人が運転していたのではなく、引っ張ってもらっていたらしい。


なお、この作品のモデルである坂本哲夢が事故で「星になった」のは20歳のときである。どう考えても、星になった「少年」というのはおかしい。そういう年齢詐称のキャラクターを15歳のリアル少年である柳楽優弥くんが演じる。この映画はどちらかというと珍品の部類になるのではないか。


結論:柳楽優弥くんのファンである自分は楽しかった。が、出演者に好きな俳優がいなければ見ない方が良い。あと自分は分からなかったが坂本龍一の音楽がいいらしい。