「大人の学校」

http://nullpo.2log.net/home/aphorism/archives/blog/main/2005/07/26_022827.html

aphoristさんが「大人の学校」というものを提唱している。
これには、論点が二つあると思う。

  • 大人のための教育の場が必要だ。
  • それを義務化すべきだ。

前者について言うと、そういう場はすでに「生涯学習」という名のもとに整えられていると思う。私も最近、市が主催する環境問題を考える会に申し込んだ。公共の施設には、目立たないところに様々な講座のお知らせが掲載されている。

さて、次の論点「義務化」。aphoristさんは 義務化ということを直接は言っていないが

日本には徴兵制が無いし、その代わりといってはなんだが、こういうことをするのはいいと思う。

と、徴兵制と対比させたことで義務化を念頭に置いているのだと判断した。

義務化するのであれば、何を教えるのかということが問題になってくる。自由参加なら事前に受講生に趣旨を明らかにすれば何を教えても自由だが、義務であればそうはいかない。

これは、ある程度科目に選択の幅を持たせることで解決できるかも知れない。しかし、そうした場合、総合大学なみの規模が必要になる。最寄の学校には受けたい科目がなくて、隣接する学校に行かなきゃならない、ということも起こりうるのである。それでは、aphoristさんの言うように地域の学校を使った住民同士の交流を図ることはできない。

ただ、私は知識が多様化しているのだから義務で何かを教えるのはナンセンスだ、とは思わない。私は「大人の学校」そのものよりも「大人の学校」で何を教えるべきか、そもそも「全国民が共有すべき知」とは何かを議論するとっかかりになる、という点から賛成だ。だから、たとえ最終的にまとまらなかったとしても、aphoristさんがイメージしたような、地域の学校を使って、みなが同じ授業を受ける、ということを考えるべきだ、と思う。